離婚とか結婚のはなし。

私が11歳のとき、両親が離婚した。父方の祖母から「あなたのママは浮気したのよ」と聞いた。当事者二人からはっきりとした理由を聞くことはなかったけれど、別れた理由を詮索することよりも一変してしまった日々の生活をこなしていくために必死だったような気がする。

自分自身、浮気に関しては肯定的ではない。それは10年前も同様であったと思う。しかし離婚理由がそれであると知ったとき、母に対して別段嫌な気持ちは生まれなかったし、今でも生まれていない。

父は当時営業職に就いており、家を空けることが多かった。休日出勤なんてザラで、家にいても電話が鳴るやいなや「ごめん、呼び出しが」と言って飛び出ていく。私より早く家を出て、私が寝てから帰ってくるような典型的な仕事人間であった。
母も母で働いていたので、二人が顔を合わせる時間は少なかったように思う(、書きながら気がついたが、二人の会話している様子がまるで思い出せない。というよりほとんど見たことがないのかもしれない)。 加えて父は根っからのゲーム好きで、空いた時間はゲームに費やしていた。私も弟もそれを不満に思ったことはなく一緒に楽しんでいたくらいだが、果たして母はどう思っていたのだろう。

そういう日常生活が前提としてあったので、何となく、母の浮気という事実は私の中ですんなりと受け入れられてしまった。それは私が母と同じ女であるから無意識に肩をもってしまっているのかもしれない。私が母なら、浮気はともかく別れることを望んだに違いない、そう思えてしまう。むしろパートナーにある種愛想を尽かせていながら、予告なしに家を出たりせず私と弟に平穏な日常生活を(、少なくとも離婚するまでは)与え続けてくれたことに感謝すらしている。

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以下羅列。

・離婚した家庭で育った子供は、将来結婚したときに離婚する確率が高い、という話がある。事実かどうかはさておき、確かに「両親揃っての幸せな家庭を継続すること」を知らないとなると、知らないものを構築するのは難しそうだなあとは思う。

・現時点で自分が母に対して他人行儀になってしまっているのが気がかりである。これは年に一度会うか会わないかの状態だからかもしれないが、それとは別に何かが自分のなかで引っ掛かっているような気もする。もう少ししっかり時間をとって会う機会を増やせば、解決するのだろうか。

・10代のほとんどを父子家庭で過ごしたわけだが、その環境が自分の性格(価値観)形成にどれほど影響を与えたのかを考えている。両親揃った家庭で育った女性が持ち合わせている何かが自分には欠如しているのかとか、まあ考え出したらキリのないことばかりではあるが。



単なる身の上話になってしまった。もっと何か考えていた気がするけれど、思い出したらまたそのうち。