音響外傷になって聴力が下がった話

7月某日、ライブハウスで2~3時間ほどスピーカー近くで爆音を浴びた結果、音響外傷を発症し一時的に聴力が下がってしまった。

現在は幸いなことに服薬により症状が改善しているので、発症から治療経過等含め記録に残す。

 

音響外傷 - Wikipedia

 

【発症当日】

某日22時頃、ライブ終了。スピーカー側だった右耳に違和感を覚える。
右耳だけ音がこもって聞こえ、高音の耳鳴りがする。一部の生活音(水の音など)が右耳に響いてやや不快であった。

 

 

【発症後半日経過】

起床後も前日の症状が継続していたため耳鼻科を受診。子供の高い声が耳から頭に響いて苦痛。

 

◇聴力検査

右耳の高音域の聴力が大幅に低下していることが判明した。

▲右耳が〇、左耳が×。縦軸は何dBの音が聴こえるか、横軸はどの周波数の音が聴こえるかを表している。周波数が大きくなると音も高くなる。
上に行くほど小さい音、右に行くほど高い音が聴こえるという見方。

 

今回の検査結果を見ると、右耳だけ4000Hz(高音域)が40dB以上でないと聴こえていないようだった。一般的な健康診断では1000Hzと4000Hzの音域で30dBが聴こえるかどうかを検査しているらしいので、確実に「所見あり」の状態である。

医師いわく、音響外傷を発症した患者の典型的なグラフ形状とのことだった。多くの人が4000Hz付近の聴力から低下するらしい。

 

◇服薬(3日分)

・ベタメタゾン錠0.5mg 2錠×1日3回 ⇒いわゆるステロイド
アデホスコーワ顆粒10% 1袋×1日3回 ⇒血流をよくする
・メコバラミン錠500μg 1錠×1日3回 ⇒ビタミンB12
レバミピド錠100mg 1錠×1日3回 ⇒胃薬

 

突発性難聴と同じ治療方法。同じステロイドで神経の炎症を和らげ、炎症と耳鳴りの症状を抑える。血液の流れを良くして、脳や内耳に必要となる栄養や酸素が隅々まで届くようにする。ビタミンB12で末梢神経を正常に整え、内耳の神経の働きをスムーズにし、耳鳴り・難聴・めまいを改善する…ということらしい。

 

【発症後4日経過】

右耳の音のこもった感じや音が響く感覚はなくなったが、以前より高音の耳鳴りが気になるようになった。
普通に生活する分には、人の声や音が聴こえづらいといった不便さはない。

 

◇聴力検査

左右ともなぜか低音域の聴力が低下し、高音域は正常値に戻っていた。

 

◇服薬(7日分)

・ベタメタゾン錠0.5mg 2/2/1錠×3日、2/1/1錠×4日
アデホスコーワ顆粒10% 1袋×1日3回
・メコバラミン錠500μg 1錠×1日3回
レバミピド錠100mg 1錠×1日3回

 

症状が改善しているので、ステロイドを徐々に減らす処方となった。
強めのステロイドの影響か、脱力感があり起き上がれない日があった。また、異様にのどが渇いたり、トイレの回数が増えた。夜中も毎日2、3回起きてトイレ起きたり、そもそも眠気がまったく来ない日も続いた。

ついでに、これも何らかの薬の影響と思われるが、肌(顔)の乾燥が全くなくなり保湿が要らないレベルにまでなった。どの薬が影響しているのか不明。

 

 

【発症後11日経過】

右耳の違和感は消失した。耳鳴りは片耳からというより頭の奥あたりからごく小さく聞こえるようになった。遮音性の高いイヤホンをしているときや、寝る前の静かな時間に聴こえる程度。日中普通に生活している分には気にならない。

 

◇聴力検査

若干下がっていた低音域の聴力が元に戻りつつある。高音域はもはや心配しなくていいように見える。

 

◇服薬(9日分)

・ベタメタゾン錠0.5mg 2/1錠×3日、1/1錠×3日、1錠×3日
アデホスコーワ顆粒10% 1袋×1日3回
・メコバラミン錠500μg 1錠×1日3回
レバミピド錠100mg 1錠×1日3回

 

さらにステロイドを徐々に減らす処方。相変わらずのどは渇き、肌は異様につやつや。服薬を終えた時が怖い。

 

【その他所感】

・聴力の異常は早期に治療を開始しないと改善する確率がぐっと下がるらしい。翌日すぐに診てもらったおかげで事なきを得つつあり、我ながら英断であった。

音響外傷は、同じ環境にいても発症する人としない人がいて、その時のコンディションも影響するとのこと。実際、ライブ会場で私の隣にいた同伴者は何ともなかった。コンディションについては、ストレスや疲れなどで発症しやすくなるらしい。

・これからライブ会場や音の大きな場所へ行くときは、専用の耳栓を使って耳をいたわる。

・大きな音を聞いた後に耳に少しでも違和感があったら、なるべく早く耳鼻科にかかってほしい。運よく聴力が戻ったとしても耳鳴りだけ残ってしまうこともあるようだ。

・私が発症したような突発の症状とは別で、騒音性難聴という徐々に進行するタイプの症状もあるらしい。工事現場等で働いている人がなりやすいとのこと。耳は繊細。

 

 

まだ薬を飲んでいて耳鳴りが完治していないので、変化があって気が向けば追記予定。