鴨川の水を飲もう

と誘われたが、無論飲まなかった。当たり前である。

皆で寒空の下、川岸で振る舞われたビールをひたすら飲み続けていた。寒い中で飲むビールは本当に美味しくて、どれだけ飲んでも酔いが回らない感じがしておもしろかった。おそらく冷えにより血行が悪くなり、酔いも回りづらかったのだろう。4缶ほど飲みほし、非常に幸せであった。まだ飲めると思った。また飲みたいものだ。

移動中、生まれて初めて一般道を歩きながら飲んだ。これも幸せだった。
屋外で女性一人が飲酒しているだけでも目立ってしまうような国に生まれたことが、今日ほど悔やまれる日はなかった。男性ならたまに見かけるのに、女性は皆無である。実に生きづらい世の中だと思う。

意図的に終電を見送り適当にネットカフェでも探そうと思っていたら、びっくりするくらい心配されて申し訳なくなった。たとえば私が男であったなら、これほどまでに心配されなかったに違いない。心配されたことそのものは非常にうれしかったしありがたかったが、やはり生きづらいなあと思ってしまった。こういうとき、女という性別がうっとうしくなる。夜中に出歩いても、飲み屋に一人ふらっと寄っても、好奇の目にさらされずにすむのは実にうらやましい。いっそ男装でもするべきなのか。